比叡山延暦寺
日本の世界遺産に登録されている比叡山延暦寺は『古都京都の文化財』という名称で世界遺産に登録された全17寺社のなかで、唯一、滋賀県にまたがる比叡山延暦寺。
標高848mの大比叡を中心に、周囲約100』の寺域、創建から1200年以上保ち続ける歴史、その空間と時間の規模の大きさもさることながら、圧巻は、学徒数と、ここを巣立っていった僧たちの名前だ。平安時代の全盛期には、3000人の僧侶が学び、輩出された僧は、最澄にはじまり、親鸞、日蓮、法然、栄西、道元、円仁、円珍と、高僧の名がずらり。さながら仏教界の東大といったところ。一時、最澄が空海から密教の教えを請うたことを考えれば、歴史に名を残すほとんどの高僧が延暦寺と関ったことになる。1200年後の現代、瀬戸内寂聴もこの地で学んだ。
東塔の中心、根本中堂の内部には、最澄が掲げた灯明「不滅の法灯」が、今も光を放ち続ける。その絶大な力ゆえ、鎌倉時代以降の武家社会では、たびたび権力闘争に巻き込まれ、戦渦にあった。しかし、一方で豊臣家や徳川家の庇護を受け、復興も早かった。比叡山延暦寺は、平安時代以降の日本の歴史をすっぽり包み込む偉大な宇宙なのだ。
比叡山延暦寺は参拝というよりトレッキング気分がふさわしい。
1日で東塔、西塔、横川を制覇するなら、バスかタクシーを使うしかない。ちなみに東塔へは、京都市内からはハ瀬、滋賀県側は坂本からケーブルカーとロープウェイで。
けれど、この聖なる山を満喫するなら、やはり徒歩が一番。特に、西塔と横川間の約4』は、比叡山を南北に走る尾根沿いに歩け、眼下に大原や琵琶湖を臨める。
境内のメインは、最澄が草庵を結んだ地、東塔。ここには国宝の根本中堂がある。横川は、親鸞や日蓮が修行した場所。西塔は、90日間、堂にこもって「南無阿弥陀仏」を唱えながら堂内を歩き続ける常行三昧を行う場所。ここの空気はことのほか神聖に感じる。
延暦寺にある国宝は根本中堂のみ。多くが織田信長によって焼き払われてしまったからだ。ここでは仏像や建造物より、日本の仏教史をつむいできた空気を吸いつくしすのが正しい歩き方かも。
参考になるサイト
比叡山延暦寺
2008年12月22日|
カテゴリー:日本の世界遺産【京都】

