元興寺
日本の世界遺産に登録されている元興寺は住宅地の一角に建つ。極楽堂と禅室の、2棟の建物が建つだけの小さな寺である。「極楽坊」と呼ばれるこの小寺が世界遺産に登録された大きな理由は、奈良時代の官大寺の僧房遺構であるため。日本最古といわれる瓦を屋根に敷く建物だ。
平安期、廃れゆく元興寺で、僧房だった極楽坊が独立して寺になるほど信仰を集め、寺名を今に引き継いだ。その原因となったのが、極楽坊の本尊の「智光曼荼羅」だ。
奈良時代の僧、智光が、没した同僚の礼光と浄土世界に行く夢を見て、その光景を絵師に描かせたもの。智光、礼光の二人も登場するこの曼荼羅は、平安末期の末法思想や阿弥陀信仰の流行を背景に、庶民の絶大なる信仰を集めた。現在、智光曼荼羅は浄土三曼荼羅のIつとされ、元興寺は「智光
さんと礼光さんのお寺」である。
元興寺が庶民の信仰を集めたことは、収蔵庫をのぞけばわかる。展示されているのは、おびただしい数の庶民信仰資料。そういえばこの寺は、四方を民家に囲まれている。現在も庶民が寄り添う寺なのだ。
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2008年12月28日|
カテゴリー:日本の世界遺産【奈良】

